woSciTecの考察

サイエンスとテクノロジーに関して、考察するブログです。

「科学的素養修得のすすめ(仮)」序章

はじめに 日本の大学・大学院教育を確実に向上させる方法があるとしたら、「科学的素養」を明文化することであろう。科学的素養はこれまで明文化こそされてこなかったものの、大学・大学院の研究室で、研究をするうちに自然と身についたものである。ただ昨今…

かけ算の順序をめぐる議論についての考察

はじめに かけ算にはしかるべき順序があり、その順番を守った式を書かないと、答えがあっていたとしても式に×がつけられるとのことです。 これは小学校2年生の算数の問題のことで、例えば、以下のような問題です。「3人の子供がいます。全員に7本ずつ鉛筆を…

「世界を凌駕する」研究大国の作り方。研究力を低迷させる制度政策が生まれる理由と解決方法

~研究力低迷の背後にある政策課題設定のあり方の見直しの提案~ 本記事 本稿では、日本の研究力低下問題に対処するための政策課題設定の改善方法を提案する。具体的には、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の独立性を強化し、内部に民間有識者会議を設置す…

「強く示唆される」とは何か?

「示唆される」という表現 研究では「示唆される」という言葉が用いられる。英語での話になってしまうが、indicateという言葉がこの語に該当し、showとかdemonstrateとかより一段 下の表現だ。それほどはっきり示す証拠があるわけではないが、それなりに証拠…

日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ8回目 量から質への転換を!

はじめに 日本の研究力が低下しているといいます。 この問題を起こしている原因の1つは、研究の「質」よりも「量」を求めることにつながるたくさんの要因ががあることによります。 この問題は、明らかな問題であり、改善も容易です。 この記事では、この問題…

第6期科学技術イノベーション基本計画によって大学など研究組織の任期制は廃止に向かうはず。

関連記事 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 シリーズ3回目 擬似成果主義。成果期待主義?申請書主義? シリーズ4回目 研究組織と個々の研究者の分断問題 シリーズ5回目 ディストピアに予想される3…

日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ7回目 研究機器を研究者が購入できる制度

はじめに 日本の研究力向上を達成する方法を模索するシリーズ7回目です。 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 シリーズ3回目 擬似成果主義。成果期待主義?申請書主義? シリーズ4回目 研究組織と個…

日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ6回目 研究組織の組織不全と改善策

はじめに 日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ6回目です。 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 シリーズ3回目 擬似成果主義。成果期待主義?申請書主義? シリーズ4回目 研究組…

日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ5回目 ディストピアに予想される3つの不都合

はじめに 日本の研究力を向上するにはどうしたら良いでしょうか? シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 シリーズ3回目 擬似成果主義。成果期待主義?申請書主義? シリーズ4回目 研究組織と個々の研究…

日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ4回目 研究組織と個々の研究者の分断問題

はじめに 日本の研究力向上を達成するための方法を模索する シリーズ4回目です。 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 シリーズ3回目 擬似成果主義。成果期待主義?申請書主義? シリーズ4回目 研究組…

日本の研究力低下の要因を考察する シリーズ3回目 擬似成果主義。成果期待主義?申請書主義?

はじめに 日本の研究力低下が言われている。研究費配分の問題など、様々な観点から議論がなされているが、本シリーズでは筆者が考える要因と解決策を考察する。 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 …

日本の研究力低下の要因を考察する シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視

はじめに 日本の研究力低下が言われている。研究費配分の問題など、様々な観点から議論がなされているが、本シリーズでは筆者が考える要因と解決策を考察する。 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 …

日本の研究力低下の要因を考察する シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務

はじめに 日本の研究力低下が言われている。研究費配分の問題など、様々な観点から議論がなされているが、ここでは筆者が考える要因と解決策を考察する。 シリーズ1回目 学振のPD研究室移動義務 シリーズ2回目 科研費申請書が研究の技術的側面を軽視 シリー…

新型コロナウィルスにワクチンは有効か?

はじめに 新型コロナウィルスにワクチンは有効だろうか?考察する。 お断り 本記事は推測にもとづき、科学的エビデンスには必ずしももとづきません。あくまでも科学的見地にもとづく筆者の予想です。 ウィルスは変異する 新型コロナウィルスは素早く変異する…

「資化」という言葉についての行き違い。

はじめに 微生物系の研究では「資化」という言葉がある。ところがこの言葉には2通りの解釈があって、混乱をきたしている。どういうことか考察する。 2つの資化の意味 例えば、「大腸菌はグルコースを資化する」とか「大腸菌はグルコースの資化能を有する」と…

キリンの角の役割。私は見た。

キリンの角 キリンにはツノがある。結構大きめなツノだ。何本かあるようだが、特に2本が大きくて、先端が膨らんでいる。いったいこのツノはなんのためにあるのだろうか? キリンのツノ 結論 ツノは高いところの木の葉を食べるためにある。 私の観察 数年前の…

潜伏期間に新型コロナウィルスは何をしているのか?

はじめに 新型コロナウィルスは、感染から発症まで最長2週間かかるということである。この間、何が起こっているのであろうか? お断り この記事は、多分に想像に基づき、科学的エビデンスには基づきません。 発症とは? 発熱にせよ、咳にせよ、だるさにせよ…

ディスタンシングが新型コロナウィルスを弱毒化を促進する可能性

新型コロナウィルスに感染して重症化した人がいたとする。この人が咳やくしゃみをした時に、ウィルス粒子を含むエアロゾルが周囲に排出される(咳やくしゃみ以外にも、いろいろな形でウィルス粒子がでてくるだろうが、ここはその話ではない)。 時をさかのぼっ…

新型コロナウィルスの感染ピークはどうやって作られるのか?

はじめに こちらの記事では、新型コロナウィルスの変異体(亜種)が次々と登場しており、「弱毒化遷移」をしていると考察した。「新型コロナウィルス」とひとくくりにするのはもはや適切ではなく、クラスターごとに病原性をカテゴリー化するなど、病原性が強い…

新型コロナウィルスの弱毒化をマスク着用が促進するか?

はじめに 現在、第二波がピークアウトしそうな状況です。前回の記事では、新型コロナウィルスが弱毒化遷移によって、大多数が弱毒化した亜種になりつつあるのではないかと考察しました。今回は、マスク着用などのディスタンシングが新型コロナウィルスの弱度…

新型コロナウィルスの弱毒化についての考察

はじめに 新型コロナウィルスは今後どのように変化していくのだろうか?弱毒化するのだろうか?考察する。 お断り この記事の内容は考察にすぎません。筆者は進化の専門家ではなく、内容について保証するものではありませんのでご了承ください。 先に、結論 …