woSciTecの考察

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キリンの角の役割。私は見た。

キリンの角

キリンにはツノがある。結構大きめなツノだ。何本かあるようだが、特に2本が大きくて、先端が膨らんでいる。いったいこのツノはなんのためにあるのだろうか?

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キリンのツノ

結論

ツノは高いところの木の葉を食べるためにある。

私の観察

数年前のことだ。仙台市八木山動物公園を訪れた。そこでは、屋外でのキリンの様子を見ることができる。キリンが放牧されたエリアは割と広く、エリア内には木が何本も生えている。

放牧されたキリンは放牧地に生えている木の葉を食べることができるようになっている。下の方の、容易に食べられるところの葉はすでに食べ尽くされていた。残っているのは高いところの枝の葉だけだ。

そこで見たキリンは、高いところの枝の葉を食べようとしていた。キリンは舌が長く、高いところの枝を、舌を巻きつけて引き寄せることができる。

高いところにある葉がついた枝を舌を伸ばして引き寄せて食べるうちに、この枝のそばの枝がツノにひっかかった。

この時、舌で引き寄せていた枝はしなっており、ツノにひっかかっていなければすぐに元の位置へと戻ってしまっただろう。

ところが、ツノに引っかかっているおかげで、キリンは舌を一旦はなして、別のより高いところの枝に舌を伸ばしてつかまえることができた。

考察

キリンのツノは、より高いところの葉を食べるための役割を持っている。ツノは、枝を一時的にホールドして、より高いところの枝葉に舌を伸ばす上で機能している。

キリンの首は、高いところにある枝葉を食べるために伸びたのだ、と進化論の説明によく使われている。同じ理由で、キリンのツノは今あるような形になったのだと考えられる。先端が丸く膨らんだ形状は、枝を効率よくホールドするためかもしれない。

多くの動物園では、刈り取った枝葉を餌として与えているかもしれない。上記の観察の後で、京都市の動物園に行ってみたが、刈り取った枝を餌として与えていた。八木山動物公園のように、キリンを放牧しており、放牧エリアの木の枝の下の方の葉をあらかた食べてしまったような場合に限って、ツノの役割を観察できるのかもれない。

自然界でも、干ばつなどで木の下の方の葉を食べ尽くし、木の上の方の枝葉を食べなくてはならないような限られた状況下でのみ、上記の角の役割を観察できるのかもしれない。

終わりに

筆者は動物行動学者ではない。上記の観察はただ一頭のキリン(多分、ゆうき君)の観察に基づき、不覚にも写真も動画もない。観察から何年か経つが、当時調べた限り、キリンのツノの役割として、高いところの葉を食べるためである、という記載は見当たらなかった。この説に新規性があるかどうか調べ、動物園や実際の生息地を巡ってキリンの行動を観察して、論文にするのは私にはできそうにもない。

ここで述べたのは、仮説に過ぎないが確からしく思える。ただし科学的に受け入られるには、論文にしなくてはならない。誰か.....